平成9(1997)年から令和7(2025)年3月までの30年近く、前勤務先が所属していた団体の「勤労者の森事業」で、「親子キャンプ大会」をはじめ、トレッキングや登山のスタッフとしてお手伝いをして来たが、事務局やスタッフの皆さんは野外活動のスペシャリスト揃い、皆さんキラキラと輝いていた。
前勤務先ではちょうど時期を同じくして、御実家が小生の生まれ故郷にある、お二人揃ってそれはそれはパワフルでマルチな御夫婦と、その御家族と御親族にも巡り会えた。
キャンプ地の「南国市黒滝」には、上流の「中ノ川営林署」からの国有林や、かつて世界一の生産量を誇った「南国市黒滝」のマンガンを搬出していた「石原満貫鉄道」があった。
旧「窪川町」の先輩の御実家の奥には「松葉川営林署」があり、「森ケ内森林鉄道」があった。
小生の実家は国鉄「窪川駅」の近くにあるが、駅のすぐそばに「窪川営林署」があって、官舎には友達が何人か住んでいた。

定年退職後、今年の4月から安芸市の教育支援教室「ふれあい教室」に勤務していて、お洒落な時計台の校舎は「伊尾木川」流域の「奈比賀」にあるが、かつて「伊尾木川」に沿って「伊尾木森林鉄道」が走っていた。
「伊尾木川」上流に「古井」という集落があり、「古井」出身のかたと、「古井」に御主人が転勤したかた、お二方にとても良くしていただいたことがあり、いつか「古井」を訪ねたいと長い間思っていた。
2021(令和3)年12月に初めて「古井」に連れて行ってもらい、翌年2022(令和4)年10月には、これまた念願だった「東川千本谷林道」に徳島の旧「木頭村」から入り、県境の「駒瀬越隧道」を高知県安芸市に抜け、「伊尾木森林鉄道」跡を探索したことが、今こうして「奈比賀」に通うきっかけの一つになった。

「勤労者の森事業」の今秋の行事として、「伊尾木森林鉄道」跡のトレッキングと、「伊尾木洞」の探索を選んでもらい、現地ガイドをさせていただいた。
定年退職後にもお声をかけていただき、わずか半年前とはいえ、懐かしい皆さんと再会して現勤務先の周辺を御案内する、「天高く馬肥ゆる秋」の好日となった。
美味しい物を食べた時に思い出す人は、その人にとって大切な人だと教わったことがある。
心労(しんど)かった頃を思い出す時、頭に思い浮かぶ人たちも、きっと大切な人たちに違いない。






かつて「伊尾木森林鉄道」の流域にあった小中学校は、現在すべて休廃校となってしまった。
「まず営林署が無(の)うなった、次に学校が無(の)うなった、そうこうしよったら、儂(あし)らあが難儀ひて拵(こしゃ)た道を通って、若い衆(わかいし)らあが車に乗って町へ出て行ってしもうた」
県内奥地の遊山先で、遠くを見るような目で呟く古老たちに、これまで何度となく出会って来たが、たしかにその通りだと、県内各地の森林鉄道跡を訪ねるたびに感じている。