旧暦六月十五日(旧盆)の直前の日曜日の夕方、「聖神社」(佐川町竹の倉)の北面断崖に、その年を現す漢字一文字を提灯の灯りで画くお祭りが催される。
国道33号線を愛媛県松山市へと走っていると、「日高村総合運動公園」を過ぎ国道が大きく左に曲がった後の直線区間で、左斜め上に見える山が「火文字祭り」の舞台となる。
山頂には建設現場の足場のような構築物があり、これまで巨大な広告看板の設置跡かと思ってきたが、実際に行ってみてびっくり、この場所こそが「火祭り」の舞台であった。
本日のダブル・ヘッダーの第二試合、『「加茂の里』お宝発見ウォーキング(in長竹)コース』へと移動する。
佐川町のイラストマップでは、「JR土佐加茂駅」から国道33号線「三反田信号」まで田園地帯を南下、国道が大きく右に曲がる「毛田」集落から東の山道(簡易舗装)に入り徐々に高度を上げ、山肌を水平飛行した後、「聖神社」まで北上し、「竹の倉」集落に下り「JR土佐加茂駅」に戻る反時計回りの周回コースとなっている。
今日は「大滝山」から下りて来たので、この周回コースをイラストマップとは逆の時計回りに周回することになる。
したがって、「聖神社」の北麓にあたる「竹の倉」集落に未踏破部分が現れることになるが、付近はこれから梅や桃や桜が見頃を迎えるとのこと、今回の遊山で何か所か見落とした箇所もあるので、この春のうちに再訪しようと思っている。
「大嶽山公園」から№46鉄塔を経由し「九頭越の棚田」へは、思ったよりスムーズに降り立つことができた。
車道から「聖神社」への入口までは、膝をクールダウンしながら快調に歩けたのだが、次の画像の「聖」の文字の左あたりから、鳥居のマーク下の分岐から「189m」とある辺りにかけては、なかなかきつい登り坂になっている。
佐川町のイラストマップの道順ではこの坂道の大半を下るわけだが、お勧めコースにはやはりそれなりの理由があると、しみじみと思い知った次第。
一般的に麓から登って来るので
この三叉路の分岐点では
「右公園→」となる
逆光になると
いろんなものが写り込む
すぐに「←左公園」の案内板が現れる
道標に従うと「廣瀬公園」入口に着き
ここで道が二手に分れて
左の道は公園へ
右の道はさらに上方へと続いている
右の登り道をしばらく進んで来ると
休憩所だと思われる建物に着き
狸の出迎えを受ける
トイレがある
「聖神社」へと続く車道は
この建物の左手を直進と思い
しばらく歩いてみたが
ちょっと違う気がして
さっきの休憩所まで引き返して来た
最初にみた「右公園→」まで戻り
メインの車道をしばらく下ったが
これまたちょっと違うぞと思い直し
再び「右公園→」に戻り
次の「←左公園」を
今度は
左に曲がらずに直進してみた
ウム、これに間違いない
次第に登り勾配が早くなってくる
やあ、ごきげんですかの?
神社近しの雰囲気になってきた
「聖神社」の鳥居前に着いた
「竹の倉部落聖神社の火文字」は
佐川町指定文化財になっている
石段の右手に寄り添う2本の大木
「おや?
左側の連れ合いさんはどうしましたぞ?」
「あい
先(せん)の頃ついに朽ち果てまいて
足元で寝転びります」
宮大工の匠の技
この「賽銭入口」の造りだと
賽銭泥棒はチトいたしにくい
お札も折り重ねたら十分入る
酒屋の軒裏かと思うような
蜂の巣の残骸が2つある
「大滝山」山頂広場の
「石鎚山遙はい岩」やもう一つの祠にも
かつて大きな蜂の巣があったらしい
神社左手の巨木の先へと進む
ご立派でご誠実で
これを登れとは
なんとご無体なことをと思ったら
厳しい口調で
かつ
子どもにもわかるよう平仮名で
「のぼるな」と警告がある
「ハイとても登れません」
足場の道板は3段の構造になっている
「火文字」のお祭りの日には
世話人の皆様がここに上るのだろうが
とても素人が近寄れる場所ではない
道板は上中下段の3段になっていて
道板の向こうは切り立った断崖絶壁
しかも移動階段は
内階段ではなく外階段
こんな階段を登れる人がいるとは・・
外側の四角形の内側に
提灯で火文字が一文字とすると
麓からどんなふうに見えるのだろう
ぜひ一度この目で見ておきたい
遠くから見ているだけで
心臓がザワザワする
ましてここで作業する人々を見たら
きっと「目の腹が痛くなる」に違いない
岩陰から見ているだけだが
心臓がアタフタしてきた
早々に石段を下り鳥居に戻る
先ほど見た仲睦まじい2本の老木
大きな洞(うろ)の先はへし折れている
手水鉢にはたしか「文政」の元号が
この周辺の山では
分岐によくコンビニ袋がある
きつかった登り坂を下って行く
急勾配の山肌は栗林になっている
さっきの栗林を下から見上げる
この坂だと収穫もさぞかし大変だろう
西の山肌を南へと歩く
一部ダートな部分があるが
すぐに簡易舗装となる
左カーブの先に
「深尾氏お留木の楊梅」へは
この標柱から左上へ少し登る
「楊梅」は「ヤマモモ」と読む
「ヤマモモ」は
「高知県の県木」ではなく
「高知県の県花」なのだが
高知県人の多くは
「ヤマモモの
実は食べたことがあるが
花は見たことがない」
という人がほとんど
「楊梅の選り食い」といわれるように
ザルに盛られたヤマモモは
真っ赤で美味しそうな実から食べられて
やがてザルには黒っぽい実が残って来る
一定年齢以上の多くの高知県人にとって
「楊梅(ヤマモモ)」は
ノスタルジーでありソウルフードである
植林の中をしばらく歩くと
「石鎚神社入口」の標柱が現れる
この標柱は
通り過ぎて南側から見たもので
北川から来ると
背面には何も書かれていないので
ご注意を
標柱から北へ切り返す里道を下ると
びっくりするような巨岩がある
底部は広く大きな岩屋になっている
天辺まで何メートルあるだろうか
岩屋の中に
少しかがめば大人が立てるぐらいなので
この岩は相当にドでかい
石の祠が2基並んでいる
台座のような大岩が右手下にある
「石鎚神社」の社殿がないかと
周辺を探してみたが見当たらなかった
巨岩を大いに満喫して車道に戻り
快適な道を「毛田」集落へと下る
№49の鉄塔かと思われる
右側路肩の石積みが美しい
軽トラの荷台から落ちましたかの?
渋いランプに見えるが
魔法使いの忘れ物か?
人里に下りて来た
イノシシの罠にミカンがあるが
間違って子どもが入っても
檻の入口がガタンと・・ひいっ!
作業小屋の左手前から
小谷沿いに林道が左上に
「毛田」集落奥から見上げる№49鉄塔
ウォーキング・コース途中にあった「聖神社」の断崖絶壁、「お留木の楊梅」、「石鎚神社」の巨岩、まさに「お宝発見」の山歩きであった。
「毛田(けた)」まで順調に下りて来られた、帰りの汽車の時間が迫っているが、駅の途中にあるこのエリアのベース・キャンプ
「レストラン錦」でビールも飲めそう。
さて、あといくつか見所を残している、先を急ごう。
『加茂の里(2/2)【山麓編】(佐川町)』に続く