バブルの頃にあまた出版された高知県内のレジャーガイドブックで、記憶に残る岩や石として思い出すのが、「蟹越峠の夜泣石」(旧鏡村)や「山姥の滝のゴトゴト石」(旧土佐山村)、そしてこの「媼婆ケ岩(おんばがいわ)」だが、なぜか「媼婆ケ岩」だけ「〇〇の」という枕詞が思い出せない。
地理院地図に、「媼婆ケ岩」(262m)と標点付きで記載されていることからしても、この大岩にはなにがしかの枕詞が付いていてもよさそうなものだが、もしかすると「媼婆ケ岩」というだけで名の通った名所だったのかもしれない。
国道32号線を香川県へ向け北上
「逢坂峠」を越えると
左手に「毘沙門の滝」への案内板がある
「媼婆ケ岩」への登山口も
この滝の近くにあるはずだが・・
なにせこの時期はヘビが怖い
本日はリトルカブで行こう
高知大学医学部付属病院への交差点で
ファミリーマートを右(南)に見たら
国道32号線から左折分岐して北進登攀
高知自動車道「南国SA」の施設内へは
一般道からも行くことができる
高速道路下のトンネル手前を右折登攀
「南国SA(下り線)」で小休止して行こう
建物の南の通用口から入ることができる
左手にドッグランがある
シャワー完備
通行止め基準値が変更になったのだろうか
JRに比べると基準値が高めの気がする
今日は秋の長雨のわずかな切れ間
雲行きも怪しくなってきた
先を急ごう
「高知道」をくぐるトンネルに戻り
「高知道」本線下を北にくぐると
「長畝古墳群」がある
「高知自動車道」工事中に発見されたらしい
標石の重さは150トンと刻まれていた
君の名は?
この分岐を直進すると
「雀森ギャラリー」だが
本日は休業
先ほどの分岐に戻り左に分岐すると
ごきげんな林道になる
ところどころに分岐があり
その多くは立入禁止だが
辛抱強く登って行くとこの分岐に到着する
左上の「斉藤牧場」を目指す
「斉藤牧場」さんは大変なご苦労の末に急勾配の雑木林を開墾し、自然の中で牛と共に歩む「山地酪農」を目指して来られたとのこと。
もう何十年来のことになるだろう、麓の車窓から急斜面に開かれた美しい放牧場を見るたびに、いったいどのような志しのかたが営む牧場だろうと思いを馳せたのは。
すぐに右手に牧場が現れると
その先の左手への枝道を進むと
一気に南に視界が広がる
行き止まりなので
バイクを降りて周辺を散策する
先日の台風によるものであろうか
倒木が多い
君の名は?
振り返ると
右手へと登って行く道があるので
柵の近くまで歩いて行くと
そこにはのどかな牧場風景が
どの牛も実に気持ち良さそう
茶色の牛を久し振りに近くで見た
牧場の施設群が見えてきた
この急坂が美味しい牛乳の源と聞く
ここを右に下って行った所が
斉藤牧場の施設群と思われる
南に広がる眺望
晴れていれば
太平洋を見下ろす絶景のはず
こちらは北側の眺望
「工石山」方向が見渡せる
次第に夏草が繁ってきた
君の名は?
南麓(左)からの作業道と合流する
さほど珍しいことではないようだが
1本だけ葉が揺れている
「媼婆ケ岩」前に着いたもよう
左右どちらの道も気になるが
本日は「媼婆ケ岩」まで
お地蔵様の右に
「媼婆ケ岩」の案内板もあるが
夏草が繁り
どこが大岩への里道やら・・
GPSによれば大岩はもう少し西のはずと
少しばかり走ってみたが
どうもこれ以上足が前に出ず
この辺りで引き返し
とぼとぼ撤退していると
画像では上手くお伝えできていないが
右手に大岩のシルエット
登って行けそうな踏み跡もある
竹の隙間には
大岩に取り付けられているという
いぶし銀の鎖も見えているが
リトルカブを駐車しておく道幅がない
お地蔵様前の広場に戻り周囲を見渡すと
お地蔵様の左手に踏み跡がある
その先には
しっかりとした南麓への里道もある
今まで竹藪の中ではヘビを見たことはない
行ってみよう
「媼婆ケ岩」の足元に着いた
ほおぉっ
これぐらいなら行けるぞ、と
ただし、往々にしてこういう岩場には
ヘビの抜け殻が・・と
臆病者は恐怖の記憶は決して忘れない
大岩の天辺までの高さは
地べたから7~8mであろうか
登り切ってはみたものの
南
西
北
東
360°展望視界無し
見えるのは足元のみ
なぜか夏休みの宿題を思い出す色
「なつのこども」の表紙の色か?
この黒い実は何の実ですかの?
どこか申し訳なさそうな素振りのユリ
いたしかたない
鎖を伝って降りるとしよう
存外と勾配が早いが
それよりもこの鎖
まさか切れませんろうねえ?
存外私は目方が重いですぞね
ひ弱者はとにかく疑い深い
半分ぐらい降りてきた
こらッ、鎖を踏んだらいかんチヤ
しっかり握っちょかんと
ズリコケるぞね
着地成功
地元のかたによるものであろう
きれいに履き整えられている
なんぞがおりそうであんまり心地が良くない
あらためてお地蔵さんに
ベリー・ナイス!
合掌
今日ばかりは来た道を帰ろう
再び牧場が見えてきた
こちらは北東の景色
こちらは南東の景色
いかんっ、雨が来た
牛も木陰に入ろうとしている
お庭先を通らせて貰いますぞよ
お休みのところすみません
通り過ぎて視線を感じて振り返ると
こちらをじっと見つめる
目線というよりは「耳」線
晴れた日に是非また来てみたい
右手の支線がたいそう気にかかるが
下界は晴れているのに
山上は雨が落ち始めた
また後日ということで
「南国SA」といえばこれ
「ちりめん丼と大日そば」
南国市の「岡豊町定林寺」あたりで
国道32号線や高知自動車道から北に見える
美しい黄緑色の山肌が「斉藤牧場」
そして「媼婆ケ岩」は牧場の少し西にある
地理院地図で
「媼婆ケ岩」の麓に見えていた
「毘沙門滝」へも立ち寄って行こう
本来は滝から歩いて登るのが王道
大池のたもとに鳥居が建っている
ここは「国分寺」奥ノ院とのこと
茹で卵であろうか
切り株の上にお供えされている
かつては観光施設があったもよう
秋の紅葉が楽しみ
「毘沙門の滝」駐車場のすぐ下に
「媼婆ケ岩」への登山口があった
その後あちこち寄り道をしていて
JR土讃線の
「土佐一宮(いっく)駅」で休憩していると
見慣れぬデザインの車両が入線して来た
その後すぐに普通列車が入線してきたが
動く気配は全くない
ネットで調べると
JR四国が今秋導入する
新型特急気動車2700系らしい
随分長い間見慣れたきた2000系が
やがて姿を消すと思うと
感慨深いものがある
やがて上り方向へと出発して行った
今度は上りの普通列車が出発する
さてそろそろ帰るとしよう
秋の長雨が続いていて、今日も曇り時々雨の予報であったが、朝起きたら薄日がさしている。
半日で行くことが出来る所で、昔から気になっている未踏の地を探していたら、南国市の「媼婆ケ岩」を思い出した。
地理院地図を見ていると、すぐそばにはこれまた昔から気になっていた牧場もある。
思えば、自宅から一時間もかからないエリアに、興味深い場所がまだ山ほどある。
遠乗りややんちゃが減ってきているのがやや気掛かりだが、それも暑い夏が終わるまで。
4時の次は5時、夏の次は秋、山に細長い姿の生き物が少なくなる季節が待ち遠しい限り。