釜炒り茶(旧池川町)
2016年 05月 05日
数日間をかけ手間暇かけて手作りされる「釜炒り茶」の、得も言われぬ香りと風味は、一度飲んだら病みつきになることうけあいである。
【ご注意】
後半の花のコーナーは撮影日順ですが、その他は平成18年から平成28年までの間に、のべ6回お手伝いに行った時の画像を順不同に掲載しています。
薫風のなかカブで行った年もある
ここにも見事な「仁淀ブルー」
池川神楽も舞われた
「河嶋山神社」の社殿
高台にある屋敷から見下ろす茶畑
新茶が芽吹いている
眼が良く見えるようになった気がする
ここからが「釜炒り」の工程
かつて楮を蒸していた頃の大釜
ドラム缶の竈(かまど)に着火
予め籠の重さ1kgを引いている
正味4キロの茶葉が1回分
鉄釜に茶葉を投入し
先端が二股になっている
2本の棒でかき混ぜる
本日の1釜の炒りの時間は16分
香ばしい匂いが漂い始める
箕(み)と呼ばれる竹製の篭に移す
手箒で最後の茶葉まで取り出す
実際にはこの「釜炒り」の後、炒られてしんなりとした生葉は、先ほどの箕(み)の上でじっくりと手揉みされるが、その工程の画像が手元にない。茶畑で生葉を摘んでいるか、釜場で炒っているかのどちらかが多かったからである。
今年初めて揉ませてもらったが、炒られてしんなりとした茶葉がついた指では、日頃いかに駄鬼(だき)な小生といえども、さすがにシャッターは押せない。
炒られた茶葉は
筵(むしろ=みしろ)に薄く広げ天日干し
やがて黄緑色が緑色となり
深緑から黒色に変わっていく
庭や塀のすべてが干場になる
次から次へと増えてくる
ナイスなコントラスト
梯子や板を総動員した干棚
ついに玄関先にまで到達
頃合い良しとなるとまとめられ
次なる「炒り上げ」の工程を待つ
お茶摘みの期間には、親戚一同おおぜいの人々が本家に集合する。茶畑や家屋敷は老若男女で溢れ、10人を越えるというひ孫の世代は、トカゲを追い回したり、カニを捕まえたりと、なかなか賑やかである。
やがて日が暮れると、先ほどまで茶葉を天日干ししていた庭は夜宴会場に変わるが、呑んでは摘み、呑んでは炒りといったぐあいで、お天道様が高いうちからすでに宴会に近い。
特に暑い釜炒り場に配属していただけると、絶妙のタイミングでビールが運ばれてくるという幸せに恵まれる。
もう一つの楽しみが、やや高台にある見るからに格式高い屋敷内に、毎年咲き乱れる花を観ること。
年が変わっても、いつもの場所に同じ花が美しく咲いているのを観るたび、普段からいかに丹精込められているかと感じさせられながら、早や10年が過ぎた。
それでは、今年の「仁淀ブルー」を思い出しながら、おみやげに戴いてきた新茶を早速いただこう。