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仏が森(旧大方町)

 地元の皆さんが山頂に建てた鉄塔から、白砂青松の入野砂浜の沖合に、潮吹く鯨が見えるかも知れぬ。

 久し振りの晴天の日曜日、旧大方町(黒潮町)の最高峰「仏が森」に登ってきた。

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県西部の旧土佐佐賀町
「土佐西南大規模公園」の展望台
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鰹の町「土佐佐賀」
ついこの間まで女人禁制だった
「鹿島(かしま)」のはるか東に
「四万十町」の「興津岬」
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 この「鹿島」には、小学生の頃、汽車に乗って友達とよく磯釣りに来たものであった。漁港の近くで、和船の船大工をしていたおじいさんが、渡し船でこの小島に渡してくれた。帰りの汽車に間に合いそうにない時には、駅へと続く川を遡ってくれたこともあった。

 ご覧の通りの島、今に思えば、小学生だけでよく行かせてくれたものと思う、まことに長閑な時代であった。その「鹿島」の周りには、当時はまったくなかった防波堤がいくつも設置され、当時とはかなり眺めが変わっている。


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造花かと思い近づけば
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「アオノリュウゼツラン」というらしい
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「土佐白浜」を過ぎ
「上川口」に入って歩道橋をくぐる
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この橋の西詰を右折
「蜷川(みながわ)」に沿って北上

ずっと「にながわ」と思っていたが
「みながわ」と読むとのこと
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県道55号線は
「土佐くろしお鉄道」の線路をくぐる
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しばらくは立派な道が続く
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右に行くと「伴太郎」集落に
ここは「打井川(うついがわ)」方向へ

【ご注意】

 四万十町「打井川」には、人気の「海洋堂ホビー館四万十」や「かっぱ館」があり、見学後に四万十市へ向かう時に、カーナビがこの県道大方大正線へ誘導することがあるらしい。

 この県道55号線は、ところどころ狭隘な部分があり、山道を走り慣れていないかたにはお勧めできません。

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趣きのある三差路を左に
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良い雰囲気の林道になる
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「千代の碑」とある
今もお供え物が絶えないという
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 対岸には、「千代のとどろ」と「千代が渕」が見えている。この辺りに「待王坂」や「王無浜」といった、「王」と名の付く地名があるのは、その昔、後醍醐天皇の第一皇子、尊良親王がこの地に流されたことに由来する。

 この地の荘官「有井庄司」はこの皇子を手厚くもてなし、その娘の千代は、親王に食事を届ける役目をしていた。千代は時刻を知るために懐に鶏を抱いていたが、ある日食事を届ける前に鶏が鳴いてしまい、それをはかなんだ千代はこの滝に身を投げる。この話を伝え聞いた親王は、この地に墓を建て、毎日その菩提を弔ったと伝えられている。


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広場から見上げる「仏が森」
頂上直下は存外きつそう
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「佛ケ森隧道」南口に到着
隧道入口の西側に
そそられる林道のゲートあり
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この林道はどこへ?
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車種まで限定している
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いたるところに「発砲禁止」の立札
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「佛ケ森隧道」北口に駐車
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「仏が森」への登山道の入口、「佛ケ森隧道」の北口に立てられた案内板には、全国的にも数多く残っているといわれる、一つ足りなかったことを伝える「九十九谷(つくもだに)伝説」が記されている。

 昔、弘法大師がこの地を訪れた時、ここに千の谷があれば四国霊場八十八か所の札所を建てよう、ということになったが、天の邪鬼が谷を1つ隠したため九百九十九の谷しかなく、弘法大師は去ってしまった。

 このことを苦々しく思った地元の村人は、四つん這いの天の邪鬼を踏みつける阿弥陀如来像を彫り、山頂の祠に奉納したという。

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それでは入山
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しばらくは作業道を歩く
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「黒潮町」と「四万十市」の境界尾根に着く
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随所に実に親切な赤テープが
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お菓子のノエルに見える
このノエルは長い
1本まるまる食べてみたい
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倒木の根の地中側
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倒木の根の地表側

次第に土の部分が雨で取れると
屏風状の風倒木となる
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実に親切な赤テープ
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植生も豊か
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このタイプの風貌が多い
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これだと迷わない
進入禁止のロープまである
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すらっとした美人がお出迎え
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ここだけ岩がある
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手作りの鉄塔が見えて来た
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自己責任で登るようにとのこと
イエス・サー
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こりゃあ存外高いですゾ
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まずは頂上の社に参拝
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海抜687mとある
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あらたかなおかたが四体おられるが
「天の邪鬼」を踏みつけているという
「阿弥陀如来」様はどちらにおいでかな?
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地図アプリ「DIY」
これは使える
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では本日のメインエベント
鉄塔の真下に立つ
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これは勾配が早い
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うっ、行けるかの?
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展望台には辿り着いたが
微妙に揺れて立てぬ
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座(いざ)ったままで撮影
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やっと慣れて来た
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やっと立ち上がれた
手すりの上辺が腰の位置に下がる
高知の西南端「足摺半島」が見える
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反時計回りに西から東へ
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白砂青松の入野海岸
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太平洋の大海原
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家の沖はアメリカですぞね
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得も言われぬ錆び具合
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四万十町「御在所山(大観峰)」方面
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長居もしづらいし
足元もおよけないし
何とかして降りなければ
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錆びちょるが切れんかの?
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潮吹く鯨は目視できず
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こりゃあ前向きには降りれん
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ゆるゆると下りて行く
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ようやく地ベタに着いた
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お名残り惜しゅうはござりまするが
ここらでお暇(いとま)いたしやしす
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鮫肌のような木肌
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贅沢な広葉樹の絨毯
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立ちはだかる倒木
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「594」の標柱
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 ここで道が3つに分かれる。左の作業道は登って来た作業道で、真ん中の作業道と右の登山道は、途中で接近する。

 帰路は「佛ケ森隧道」の南口に下山したいので、ここは右の小道を進む。10分ほど進むと、右下へ下る踏み跡がある、と聞いたが・・

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根元がカクッと曲っている
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理科室で見たことがある
人体模型の血管さながら
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ここにも倒木
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正しく「佛ケ森隧道」の真上手前にいる
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真ん中の作業道に再び合流
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約10分ほどで
トンネル南口への下りの踏み跡とあるが
どうも見当たらぬ
この白骨林で断念
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あなたはどこから落ちてきましたぞ?
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イノシシの仕業か?
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ヌタ場にしては水たまりが無いが・・
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「佛ケ森隧道」北口の登山口に到着
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今日もステッキを忘れてきた
登山口で借りた杖を返却する
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ここからさらに北(ナビでは右)へ
四万十市の最奥部
「常六(じょうろく)」集落に
走り抜けたい気もするが・・
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隧道の北口から南口へと
帰路に着く

標高差約200mを約30分
広葉樹の葉で滑りやすい道を
ひたすら直登するのは予想外にきつい
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隧道の南口の右手
ここに下りてくる予定であったが
かなり荒れている印象
隧道北口の登山道往復が賢明かと
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 約1年近く五十肩に悩んでいるが、下山の際に思いがけないことが起こった。

 広葉樹の落陽が急斜面に降り積もった登山道、一度滑り始めると数メートルは止まらない。尾根の広場の手前、直線で10mほどの下り坂で、尻もちを着いたままズルズルと滑り始め、咄嗟に左手で傍らの木を掴んだ。

 順手に掴めばまだしも、逆手に掴んだために、五十肩の真っ最中の左肩をイヤというほど捏ねる格好になり、痛いので手を離したいものの、離せばそのまま滑りこけるものの、あまりの痛さに悲鳴を上げた。

 ところが、捨てる神あれば拾う神あり、これがうってつけの逆療法になったのか、肩が少しラクになった。いやはや、どこに幸せが転がっているかわからない、合掌。





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by ky_kochi | 2016-01-31 13:00 | 登山 | Comments(0)

おもに高知の山歩き


by ky_kochi