念願の「剣ケ岳」に、3度目にしてようやく登頂が叶った。
土佐町黒丸を通り「稲叢山」や「アメガエリの滝」へ行くたびに、そして最近は「程野」(旧吾北村)から「瀬戸川渓谷」へと「林道程野黒丸線」を走るたび、気になって仕方がなかった鋭鋒である。
土佐のマッターホルン「剣ケ岳」(けんがだけ)には、「アメガエリの滝」からのルートと、「成川橋」からの2つのルートがあり、平成28年11月には、「アメガエリの滝」からは途中で山道を見失って引き返し、「成川橋」からは川沿いの道からの入山口を通り過ぎ、あえなく撤退した。
「アメガエリの滝」ルートはさらに藪化しているものと想像し、前回はおよそ入山口までは近付いていた「成川橋」ルートを選択した。
「峯石原」で県道6号線へ合流
この雲は晴れる雲でノープロブレム
「瀬戸川」支流の「芥川川」
「芥川林道」が懐かしい
「林道程野黒丸線」の分岐に到着
登山口「成川橋」へはここを左折するが
素通りは失礼にあたる
「アメガエリの滝」を表敬訪問しておこう
「黒丸」集落の奥に「剣ケ岳」
右側のコブが「剣ケ岳」
左側のコブが「一の谷山」
ここから見るとドーム状に見える
左上に「林道程野黒丸線」が見える
アメゴがこの滝で引き返すので
「アメ(ゴ)帰りの滝」
なるほどこれでは遡上できまい
紅葉にはまだ少し早い
滝壺は透き通っている
下の段に流れ落ちる直前では
水の流れが美しい縞模様を創る
今日こそは行きますぞっ
岩塊を登るのではなく
岩肌の直下を
左から右に回り込むイメージ
この吊り橋が
「アメガエリの滝」ルート入口
前回は左の木立の先ですでに
道を見失ってしまった
吊り橋へは行っておこう
吊り橋は「成川川」(右奥)との合流点になっていて、橋を渡ると「剣ヤ滝」、作業道への分岐に気付かず「成川川」沿いに真っ直ぐ進むと「中の川滝」を見ることができる。
登山道に戻り、登山道が「成川川」を渡渉する地点までの間には、「十八番滝」があるとのことだが、前回辿り着けていないためまだお会いしたことがない。
歩くと揺れる吊り橋
「瀬戸川」の上流方向
左上に展望台が見える
張り替えられた橋に黄葉が一枚
前回あえなく退散した記録はこのリンクを
今回ようやく登頂できたのは、土佐町でウエブマガジンを発信しているかたと、県内の山で偶然知り合ったかたからいただいた情報のおかげであった。
そして、「剣ケ岳」を初めて広く世に紹介された高知の岳人の大先達と、山行記録を登山サイト「YAMAP」にアップしておられた先輩、お二人に感謝申し上げたい。
「林道程野黒丸線」に戻って来た
分岐はUカーブの三差路になっている
林道は「程野」まで舗装されている
右下から登ってきて
左上に切り返し「いの町」へ
眼前に「剣ケ岳」(右)と「一の谷山」
ううむ堪らん
「根木石山」(右)の左に
岩峰「瀬戸岩茸山」(中央やや右)
「一の谷山」(左)の右に「剣ケ岳」
さらに右奥には「山ノ神ノ森」が鎮座
見づらいが「剣ケ岳」の東端には
白骨樹が小さく見えている
必ずや今日こそは
突端の白骨樹あたりが本日の昼食場所
「成川橋」の北詰から入山する
作業道には草が茫々
なぜか途中は刈り払われている
川に沿って順調に進んでいる
よろしい
見覚えのある茶色のガードレールが右に
ガードレールは「成川川」沿いに
上流と下流に2つある
こちらは上流の長い方のガードレール
正面の作業道の突き当りまでは行かず
少し手前の広場で右側に注目
ここが第一の注意場所
赤いテープが
笹の切れ間に見えるはず
「成川川」へと降りた右手に
上流側のガードレールの終端がある
ここを左の下流側へと進む
苔むした丸太がある
下流側の茶色のガードレールが現れる
右手には砂防ダムがある
下流側のガードレールの終点には
赤テープがある
4本の丸木橋を渡り
道がいったん下がり
左カーブを描くその先
左手に赤いテープがチラチラと
ここが「剣ケ岳」への入山口
作業道が山頂方向へと這い上がっている
前回はこの入山口に気付かず
下流の「渡渉点」まで行ってしまった
笹の繁り具合は今日と同じぐらいだったが
赤テープには全く気付かなかった
植林の中の広場で振り返った眺め
右下から登って来たが
帰りにここを左に曲がりそう感じたので
倒木でガードレールを作っておいた
ほどほどに歩きやすい作業道
いたるところに丸木橋
間伐された植林の中を高度を上げて行く
大岩が左手に見えて来た
良い感じで進んでいる
今日こそは行ける予感がする
岩峰の雰囲気が漂い始める
丸木橋があって大いに助かる
なかなか良(え)いですやいか
作業道を遮る倒れた杉の木
右下から登って来た作業道は左へと続く
潜れないので跨ぐしかないが
足が短いので一苦労
どうやら岩壁の下に来たようである
この杉の木を右手に回り込むが
下山の際の道標に曲がった枝を置く
岩壁と背比べする杉の木
到底届かないぐらいに岩壁は高い
再び雰囲気の良い道になる
これは丸木橋ではなく木の根
「踏んでもかまいませんろうか?」
これほどとは言わないが
「あたしゃも少し背がほしい」
山頂の北側に回り込めたらしい
今日は行けたとほぼ確信する
1/25000地図にある岩塊の真下
この高さと幅の岩壁は初めて
大きな蔓は一体どうやって
上に伸びていったのか不思議
とにかく高いが
ロッククライマー達の話を
これまで見聞きしたことがない
これもまた不思議
崖の上に盆栽のような紅葉
これは渡られんと思っていたら
山手側に細い黒いロープがあり
ロープと木を頼りに進む
跳んで渡れる距離ではない
右下に川のせせらぎの音
松ぼっくりに似ているが・・
いずれ獣の落とし物ではない
この丸木橋はちょっと線が細いが
問題なく渡れた
山頂の尾根への分岐点に到着
赤テープが3つほどある
よく踏まれた感のある作業道
右上が「一の谷山」
左上が「剣ケ岳」
皆様、当機は最終の着陸?体制に入りました
あと少しで尾根道に着く
岩清水が浸み出す大岩がある
前方の岩肌に2本の松の古木
どちらも直角に折れ曲がっている
この場所も「剣ケ岳」の名所の一つ
頂上に近づくにつれて充実する赤テープ
登山者用というよりは
林業の作業用と思われる
北側にあたるため鬱蒼としている
前方に小さく尾根の赤テープが見える
どこまでが岩で
どこまでが木やら・・
根上がり古木の伐採(倒壊?)跡
麓から見えている
白骨樹のある東端かと思ったが
ここではなかった
東端はもう少し上(北東)にあった
木が茂って良く見えないがはるか眼下に
「アメガエリの滝」付近の道路が見える
東南の「陣ケ森」方向を見る
中央やや右下には
「林道程野黒丸線」が見えている
麓から見えていた白骨樹
真下で見上げるとかなり高い
昔はもっと視界が広かったようだが・・
手にベトつかないガルボは
チョコの中身のビスケット部分が
そこそこお腹の足しにもなり
山登りの必携アイテム
威風堂々
高知市の方角(東南)の眺め
太平洋は目視できなかった
山頂の畳一畳ぐらいの広場の端は
鋭く切り立つ岩塊の端になっている
眼前に雑木がなければ
とても立っていられないはず
ここが山頂広場だが
北と西の展望はなく
東南と真下が見えるのみ
頂上付近にはシャクナゲが群生
満開になればさぞや綺麗であろう
「剣ケ岳」の山名板
この根上がり杉は健在
子供なら下をくぐれそう
かつては大木があったらしい
大きい切り株がゴロゴロしている
こちらは老練な渋さを漂わせている
山頂広場を後に尾根の広場へと下る
尾根からさらに西に進むと「一の谷山」
林道が繋がっていると聞いたことがある
直角に曲がった松の下を下る
岩清水の大岩の前を通過
尾根への分岐三差路に到着
ここを右に曲がり下山する
帰りは左手に「成川川」のせせらぎの音
高度を下げるごとに音階が下がって行く
お宅らはいったい何をしよりますぞ?
帰りは道も判り足取りが軽い
岩壁に来た
下山時の眺めも素晴らしい
こらっ、驚(おど)かすなっ!
ベリー・グッド!
恐いもの見たさで舞い戻る
まさか生きちょりませんろうねえ?
岩壁の下を下山する
なかなか丈夫い蔓
折れて道に倒れても
登山者を安心させてくれる赤テープ
残して置いた枝のガードレール
ここはゆるやかに左
道なりに右に行ってはいけない
作業道を塞ぐ杉の大木は
下山時は左側に越える
大岩まで戻って来た
千切れて落ちたマムシグサ
2週続けて到来した台風の影響か?
ウム、この橋は大丈夫
雨宿りできそうな岩屋の上に
大岩のつっかい棒のように倒れた大木
この山で初めて見たキノコ
この木の洞(うろ)は大きいが
鳥の巣にするには地面に近過ぎる
ウム、この橋も渡れるろう
入山口まで降りて来た
転ばぬ先の杖ならぬ倒木
倒木のガードレールに従って
右方向へ進もう
何事にも入念な小生は
倒木は地面に置かずに
切り株に乗せておいたが・
すぐ近くに
林業作業用の白いマークがあった
小さく気が利いて大きく間が抜けている
残念
一番最初に目印に置いてきた枝だが
置いてきたことを忘れていた
入山口の赤テープまで無事下山してきた
ここで「成川橋」上流へと帰りながら
入山口のおさらいをしておこう
画像は下流を振り返る格好となるが
入山口の手前は少し窪みになったカーブで
入山口は窪みから上がってすぐ
この窪みの少し上流には丸木橋があり
その少し上流には砂防ダムがある
この砂防ダムから入山口は
さほど遠くなく
うっかり通り過ぎて対岸への
渡渉点まで行ったら川を下り過ぎ!
すぐに引き返しましょう!
このマムシグサは現役
この付近には苔が多い
砂防ダムまで戻って来た
踏むのが申し訳ない瑞々しい苔
下流側の茶色のガードレール終端で
左手に砂防ダムを見たら
行きがけに見た歩道の丸太を跨ぐ
すぐ先右上に作業道が見えて来る
上流側の茶色のガードレール終端に着いたら
面舵一杯、ライトターン
笹の切れ間から
赤テープのある作業道に駆け上がり
レフトターン、取舵一杯
作業道を「成川橋」へと戻る
ちょっとお天気が下り坂
なぜか入口付近ほど荒れている
「剣ケ岳」への道よりも藪化している
上流の茶色のガードレールの起点
我が背丈よりも高いススキ
「林道程野黒丸線」が見えて来た
平成13年6月架橋とある
早やからそんなになりますかねえ
「成川橋」から下流を見る
「剣ケ岳」が遠くに見えている
林道が最も「剣ケ岳」に接近する場所
「瀬戸岩茸山」の岩塊
頂上付近に2本の白骨樹が見える
「瀬戸川渓谷」を見ながらの帰路
麓から見るとおよそ素人を近付けない厳しい山容でありながら、絶壁の下には緩やかな巻き道があり、思ったよりも難渋することなく登頂することができた。
林業用の作業道だと思うが、そこそこ踏まれた道があり、随所に丸木橋もあって大いに助かった。そして途中には、1/25000地図にも記載された巨大な岩壁、大岩に根付いた直角の松、岩峰ならではの巨岩もあり実に楽しい山であった。
2つのルートの川沿いの道からの、入山ポイントがやや分かりにくいのが難点といえば難点。だが、もしかするとこの山は、山自体が地元の皆さんの信仰の対象であり、軽々に入山する山ではなかったのではあるまいかと、考えながら下山した。
そう考えると、あの絶壁がロッククライマーたちで溢れないのも、見所満載の山なのに登山道が整備されないのも、解るような気がする。周辺に神社や祠などは見かけなかったが、北には「山ノ神ノ森」が鎮座している、「山の神」は古来より女神様が多い、決してお怒りに触れてはならない。