先月末、大変お世話になった先輩が旅立たれた。右手に盃、左手に書物のようなかたであった。アウトドアには関心が薄いご様子であったが、ある年、「瓶ケ森」へお誘いすると、快く同行いただけることになった。
当日、高知市は晴天だったが、「石鎚スカイライン」から「土小屋」を経て「瓶ケ森」の駐車場に着いた頃には、ほとんど視界ゼロの濃霧となっていた。準備していたうどんを何とか調理し召し上がっていただき、帰路の休憩を予定していた「神鳴池」(「西黒森」東登山口)で、同じく濃霧の中、コーヒーを飲んだことを昨日のことのように思い出す。
「西黒森」から見る「瓶ケ森」
「神鳴池」の東登山口より入山し
「吉野川源流碑」の西登山口へ下山
帰路は「旧村道瓶ケ森線」を歩く
国道194号線を北上
「寒風山」方面へ
今日は「寒風山」も視界良好のはず
「寒風山隧道」を目指し
「寒風山トンネル」南口の手前
「桑瀬」で「一の谷」へと分岐
「旧寒風山トンネル」南口で左折
通称「UFOライン」へと左折西進
「寒風山」登山口を右に見る
「寒風山」の山塊
「寒風山」から東へ
「笹ヶ峰」「ちち山」の稜線
南に雲海が見える
「第一隧道」は素掘り
「伊予富士」が見えて来た
冨士というよりはゴツゴツした印象
「東黒森」
「伊予富士」の
「東黒森」経由登山口
「UFOライン」の人気スポット
左の三角が「自念子の頭」
右の三角が「西黒森」
「西黒森」の左が「瓶ケ森」
「自念子の頭」の左に
ドーム状の「筒上山」(右)と
左に「手箱山」(高知県最高峰)
「石鎚山」(中央やや右最奥)
「石鎚山」をバックに
独特の岩峰「子持権現山」
「西黒森」はここから見ると円錐
存外と高いがよう行きますかの?
「西黒森」登山口の手前
あのピークが山頂なら容易いが・・
「神鳴池(かんならしいけ)」到着
現在はカラ池
一面の笹原
「西黒森」東登山口へ少し戻る
それではいざ入山
「神鳴池」を初めて見下ろす
左から「子持権現山」「石鎚山」(遠景)
「瓶ケ森」(男山への稜線)
笹原に樅の木が混ざる
今日はこの花が満開
「自念子の頭」(後方=東)を振り返る
「筒上山(つつじょうざん)」と目線が合う
しばし森林帯に入る
左は崖になっている
ほおぉっ
所々にロープがあり大いに助かる
どうかこの天気が続きますように
登山道ががくんと下に落ちている
森林帯を抜ける
まだまだあんなに高い
「瓶ケ森」ばりの白骨林
この高さになるとよもやヘビは・・
おりませんろうねえ・・
あなたもあんまり見かけませんろう?
「この辺りでは見かけません」と
どうか言うて下さい。
見えているのに近づかない山頂
後ろ(東)を振り返ると
左から「伊予富士」「東黒森」
「自念子の頭」
「西黒森」東麓のピーク
もうひと踏ん張り
「瓶ケ森」と目線が合ってきた
登山道が一部損壊しているが
ノープロブレム
ここからが噂の急坂になる
上手くお伝えできないが
なかなかきつい
笹より他に掴まる物なし
「瓶ケ森」の全容が見えて来た
松山市の方向には雲
天気予報では晴れのはずだが・・
いよいよ山頂が近い
昼食場所にぴったり
山頂の眺望は今一丁
どなたかこっそり
刈り払ってくれませんろうか
昼食を取る場所も・・
あいにくとガスがかかってきたが
北東から時計回りに270度
「筒上山」もガス
「石鎚山」にもガス
「瓶ケ森」が見渡せたので
良しということにしよう
贅沢を言うとキリがない
「瓶ケ森」の東壁
ジグザグ道に登山者が見えている
登ってきたなら降りねばならぬ
上手くお伝え出来ず残念だが
ここもほとんど滑り台
ロープの最後の辺りで
80センチほど滑落した
いっ、痛いじゃいかっ
ところどころ紅葉している
やれやれようやく
先ほどの分岐に戻って来た
下山はこの分岐を右折し
「西黒森」の西壁を下山し
「吉野川源流碑」(西登山口)へ
ここを左折すると
「神鳴池」(東登山口)となる
なかなか良(え)いですやいか
表は翠で
裏は白の「ウラジロモミ」
正面にこの「瓶ケ森」を見たくて
東から登り西へと下ることにした
一足早く眼福に預かる
一体何があったんです?
グッ・ジョブ!
誰の仕業ですぞ?
「瓶ケ森」にもガスがかかって来た
随分と長いことたった一人で
そこに立てっちょったがですの?
林道まで滑り降りられたら早いが・・
ナイス・コントラスト!
「西黒森」西壁の紅葉
「瓶ケ森」登山客には残念なガス
快適な登山道
「西黒森」山頂にもガスが
時間とともに変わる
花びらの開き具合い
西からの登頂が道が良いかもしれない
程よく色付いている
かなり高度が下がって来た
鶴にも見える
♪照る山もみじ~
♪濃いも薄いも~
♪数あるなかに~
すみません
こちら側からはよう登りません
「吉野川源流碑」前の駐車場が見える
たくさんの登山客が見えている
「瓶ケ森」東壁の紅葉
「瓶ケ森」と「西黒森」の分岐
四国三郎「吉野川源流碑」
ここで昼食
ここからは「UFOライン」を歩いて東進
「神鳴池」に駐車した車まで戻る
前方からガスが迫って来ている
化石が出そうな地層
岩肌に凛として一輪
「西黒森」の直下
落ちた石が見えちょらんが
麓まで転がり落ちましたかの?
林道歩きはラクといえばラクだが・・
「吉野川源流碑」の辺りにもガス
ありゃ?急に翳ってきた
車がグレーチングを踏む音が
登山道まで聞こえてくる
なかなか丈夫い造りになっている
「本川村」と旧村名の表記が残っている
「いの町」といわれても
我々世代はどうもほっこりとしない
落石補強工事現場
屈強な作業員の皆さんはロープを
伝ってこの勾配を登って行く
脱帽、敬礼!
掘り切りマニアには堪りませんな
山でよく見かけるが
どなたさんかな?
「神鳴池」まで戻って来た
あの日は、「瓶ケ森」からこの「神鳴池」まで、せっかくの絶景を何一つ見ることなくただひたすら移動したことだった。電車の運転免許はお持ちであったが、車を運転することがなかった先輩は、視界ゼロの濃霧の中をフォグランプだけで走る車窓の眺めを、さぞかし不安な気持ちで見ておられたことであろう。
霧雨の「神鳴池」に車を停めて、カセットコンロでお湯を沸かして入れたカップコーヒーを、「これは美味しい、ありがとう」と、とても喜んでくれたことを思い出す。今朝の登山口まで戻り
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振り返り見る
「子持権現山」から「瓶ケ森」の稜線
すっかりガスに覆われている
「西黒森」(右隅)と
左隣りの「瓶ケ森」
ともに山頂部分に濃いガスが
「東黒森」まで戻って来た
「伊予富士」の西壁
大きなザレが痛々しい
先輩の言葉で一番よく思い出すのは、生まれ故郷の独特のアクセントで「が」を強く発音する「ありがとう」だが、無事に高知市までお送りした時、「ありがとう、今日もなんと楽しかった」と、いつもの笑顔で言ってくれた優しい声を、まるで昨日聞いたかのように思い出す。
昭和から平成に代わる頃から、公私にわたり大変お世話になった、世の中はまだまだ平成だが、自分の中での平成は終わったような気がしている。心からご冥福をお祈りしたい、合掌。